1【最初に】この記事を読んで頂きたい方
この記事は、以下の悩みを持っている方向けに書いています。
・年俸制を詳しく知らない人
・年俸制について勉強をしたい人
・年俸制についてメリットデメリットを知りたい人
2【年俸制とは?】
年単位で給与金額の合意/更改される賃金制度のことです。
給与額を決める際に、成果や実力をもとに従業員を評価する「成果主義」と併せて導入されていることが多く、業績評価を明確にしたり、実力主義・能力主義の企業風土を強めたりする狙いで採用する企業が多いです。
年俸制では、自分の成果や業績に応じて給与が決められ、「年俸を12回、または14回に分割して毎月支払われる方法」や「14等分した年棒が毎月支払われ、2回分はボーナスとして支払う方法」になっています。
3【年俸制には2種類ある】
また、年俸制は「単一型年俸制」と「複合型年俸制」の大きく2種類に分けられます。
■単一型年俸制
単一型年俸制とは、業績を中心に1年間の給与を決定する形態です。
業績年俸のみで毎年の業績を評価して年俸額を改定します。欧米企業は単一型が主流ですが、日本企業は月給と賞与に分かれていた制度から移行したところが多いため、複合型を導入している企業が多いです。
■複合型年俸制
複合型年俸制とは、「基本年俸」と「業績年俸」の2本立てで1年間の給与を決定する形態です。
基本年俸は会社での役職や年功序列によって決定され、業績年俸は業績に応じて支給されるものです。業績年俸はボーナスや賞与に近いものです。
一方、業績年俸とは業績に応じて臨時に支給される給与、いわゆる賞与に当たるものを指します。
複合型年俸制は一定水準の年収が保証されるので、年俸制が多用されていない日本企業でも取り入れられています。
エンジニアやデザイナーなどの専門職や管理職に適用されることの多い給与形態になります。
4【年俸制の給料の決め方は?】
年俸制の給料の決め方は、企業によって異なることを前提にしておきましょう!
あらかじめ賃金規定にルールや計算方法が定められている場合もありますし、契約更新のタイミングで経営者が提示する年俸額に従業員が合意して決定するケースもあります。年俸額が一体どのように決まるのかは、転職先の就業規則や雇用契約書で確認しましょう。
年俸制では、自分の成果や業績に応じて給与が決められ、「年俸を12回、または14回に分割して毎月支払われる方法」や「14等分した年棒が毎月支払われ、2回分はボーナスとして支払う方法」になっています。
会社によって支払われ方が異なるため、こちらも要チェックです!
6【年俸制と月給制の違いは?】
年俸制は、年単位で決まった年俸額を分割した金額を毎月受け取るため、月の給与額はあらかじめ決まっています。
一方、月給制は残業や各種手当などによって、毎月受け取る金額が変動する可能性があります。
年俸制は成果主義と結び付くことが多いのに対し、月給制は社員の勤続年数や年齢などが考慮される年功主義の企業で多く採用される傾向にあります。
「年俸制は残業代が出ない」という、一般的な認識がありますが、年俸制だからという理由だけで企業が残業代を支払わないことありません。
1日8時間で週40時間以内と法的に定められている労働時間を超えた分は残業代を請求できます。
しかし、固定残業代制度を敷いている場合は注意が必要です。
「年俸には1ヵ月◯◯時間、◯万円分の残業代を含める」というような契約内容の場合、固定残業制(みなし残業制)で定められた時間以内の残業代は、もうすでに年俸に入っていることになる可能性があります。しかし、そのような場合でもこの固定残業制(みなし残業制)で定められた残業時間を超えれば、そこから追加の残業代が支払われる必要があります。
企業が従業員の残業時間をあらかじめ見込んで固定残業代を支払う制度のことです。
この制度は、「残業代を支払わなくても良い」制度ではなく、最初から残業(例えば30時間分の残業)代を含めた給与を支給する制度。のことです。
例えば、仮に月の残業時間が上限に届かなくても、残業代を含んだ給与を支払われるものになります。仮にみなし残業が30時間の場合、30時間に実質届かなかったとしても
30時間分の残業代が支給されます。
その分、労働時間が長期化するリスクを含んでいます。
年俸制は、完全成果主義に近い賃金制度です。
成果が目に見えて評価されれば、「来年はさらに高い評価を得られるように頑張ろう」と仕事に対する意識が高くなります。
・成果によって給与が上がることも、下がることもある
年齢や職務に関わらず、業績を残せば給与が上がりやすくなっています。
会社の評価基準をクリアするほどの力量があれば大幅な給与アップも期待できます。
・仕事へのモチベーションにつながる
成果に応じて賃金が決められる年俸制は、自分の仕事へのモチベーションにもつながり安いです。
頑張るほど給与が上がる年俸制なら、年齢や役職関係なく、成果次第で同年代の誰よりも稼げる可能性があるため、仕事の頑張りと成果が伴ってきます。
10【年俸制で働くデメリットは?】
・自分の成績次第で給与が下がる可能性がある
個人の成績が大きく影響する年俸制は、会社から期待されている成果を残せなかった場合は来年度の給与が減額することもあります。
また、月給制と異なり、どれだけの時間働いたとしても会社が求める成果を出せなければ、給与として評価はされません。
(=※つまり頑張った!では評価されないということ!)
・評価基準が曖昧な場合は適切に給与に反映されない場合がある
月給制は年齢や役職など給与の上がる基準が明確ですが、年俸制は個人の業績が重要視されるからこそ評価する側にも重要な責任があります。
せっかく仕事を頑張って、会社へ貢献をしたとしても、正当な評価がされなければ給与U Pや年俸U Pは見込めないでしょう。
(※月給制で働いている人も会社の評価基準はチェックしていきましょう!)
・ボーナスが支給されない可能性がある
もともと会社がボーナスを支払う義務は法律上ないからこそ、企業によってボーナスの有無は異なります。
年俸制でボーナスが出る場合は、以下のようなパターンが考えられるでしょう。
・年俸を14分割や16分割して、年棒内だけで毎月の給与とボーナスを支払う
・毎月年俸の1/12ずつ支払い、別途ボーナスを支払う
「年俸制だからボーナスが出ない」ということはありませんが、企業によって支払いの有無は変わるので事前に確認しておくのがベストです。
11【年俸制でメリットが得られるのはどんな人?】
年俸制は全員に対して向いているわけではありません。
・自分の実力を正当に評価してほしい
・成果を上げて大幅な年収アップを目指したい
・年間の収入額の見通しを立ててライフプランを組みたい
年俸制を取り入れている会社が必ず成果主義であるとは限りませんが、業務に対する評価や成果を年収アップにつなげたいという人は、成果主義制度が導入されている企業がおすすめです。月給制かつ成果主義で評価付けを行う企業もありますので、どちらが自分にとってメリットがあるか見極めましょう。
自分が勤める企業はどういった制度になっているのか?をしっかりと見極めていきましょう!
年俸制には、月給制との違いがあるからこそ起こりうる3つのトラブルがあります。
■残業代の不払い
年俸制を採用する企業の経営者や人事担当者が、「年間の給与額は決定しているから、追加で残業代を支払う必要はない」という間違った認識を持っている場合があります。残業代の不払いが発生しないよう、まずは転職先の就業規則や雇用契約書で、年俸額に固定残業代が含まれているかどうかを確認してください。
年俸額にあらかじめ一定時間分の残業代が含まれている場合は、「年間で何時間分の残業が含まれているのか」、「含まれている残業代はいくらか」、「規定の残業時間を超えて労働した場合、残業代を別途全額支給することが書かれているか」の3点を必ず確認しましょう。
■年俸額の大幅な減額
年俸制のデメリットでも触れたように、年俸額の更改の際には減額の可能性もあります。しかし、年俸額の決定には企業と労働者の合意が原則とされているため、企業が一方的に給与額を決められるわけではありません。(※ここ大事!)
たとえ年俸制であっても、更改時に納得のいかない減額がされた場合にはそのまま受け入れずに、企業側と合意が得られるよう交渉を行っていきましょう!
交渉の際は、交渉できる根拠も用意しておきましょう!
■年俸額が年の途中で一方的に変更されてしまう
前述のように、年俸制のメリットは、企業の業績や景気によって毎月の支払額が下がらないことです。ただし、実際には年度途中でありながらも業績不振を理由に減額され、年俸額自体が変更になるというトラブルもあるようです。
しかし年俸制の場合は、事前に年間の給与総額について合意を得て契約を結んでいるため、社員の同意を得ずに減額することは原則として認められないと裁判の判例でも示されています。
また、社員の同意を得られたとしても「減額に応じなければ解雇する」など、その同意が社員の自由意思に基づくものでない場合には、法的に無効になる可能性が高いです。
もし年度途中に年俸の減額を提示されたとしても、納得がいかない場合は同意する必要はなく、事前に契約した内容での給与の支払いを求めて問題ないでしょう。
【まとめ】
年俸制は給料が成果によって大幅に伸びる要素もありつつ、
成果によって給料が上下するメリット・デメリット両方を含んだ制度です。
仕事の業績をプレッシャーに感じる人も多いかもしれませんが
仕事の成果にこだわって働きたい人や仕事の成果をしっかりと評価されたい方は検討してみてください。
ただ、勤める会社での評価制度や固定残業代を含んでいるのか?など
きちんとリスクを理解していきましょう!
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